sixqueens’s blog

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【読書メモ】小次郎講師流 テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る 真・チャート分析大全 −−安定投資家になるためのエッジの見つけ方

#### 対象
書名:小次郎講師流 テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る 真・チャート分析大全 −−安定投資家になるためのエッジの見つけ方
著者:小次郎講師

#### 概要
チャートのテクニカル分析の本。

ファンダメンタル要素は一切見ずに売買の判断を出しているため、書かれている内容が正しければ個別株だけでなくFXや先物取引にも応用出来そう。

kindle版を買ってトレード用のPCで読めるようにしておくことをお勧めしたい。

本を買う前に著者のYoutube動画を見ても良いと思う。


RSIとは? テクニカル指標の勉強に大切な5つのポイント【チャート分析大全 -01- RSI①】

#### 要点

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#### 所感
この本のことを知ったきっかけは、一目均衡表の見方を調べていたことであった。

一目均衡表では三役好転すると強い買いシグナルです!」ということしか記載されていないWEBサイトが大半であったが、実際には三役好転で買いを入れても利益に結びつかないケースも少なくは無かった。

そんな中、著者の小次郎講師が一目均衡表について解説しているWEBサイトを見つけて、この本に辿り着いた。

この本では、ボリンジャーバンド移動平均線などの有名な分析手法が機能するケース、機能しないケースについて記載されており、この点で株の雑誌や入門レベルの書籍とは一線を画していた。

とりわけ、一目均衡表に関する記載は量、質ともに高く、一目均衡表を考案した一目山人氏の洞察力に感嘆させられた。

1点文句を書くとするなら、再現性を検証する際の参考となる定量的な指標が欠ける点だ。

たとえば、「長い上ヒゲのローソクが出たら下げトレンドの開始」という判断を実行に移す前に、長い・短いの判断となる閾値の目安が無いと不安が残る。

「直近の安値を参考にする」という記載に対しても、直近とはいつまでを過去に遡っての安値なのかという疑問が残る。

テクニカル分析はアート」と巷で評価されるのはこういった要素が影響を及ぼしているのだろう。

 

とは言いつつも、興味を引く内容が多々あった為、手始めに移動平均線大循環分析を使ってみた。*1

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6つのステージ毎に背景色を変えて、「黄色に入ったら新規買い、黄色と緑の間はホールドで、それ以外の色になったら即売却」という簡素化した売買ロジックで検証した結果が下図である。*2f:id:sixqueens:20200929055204j:plain

緑破線が利益を出したトレードで、赤破線が損失を出したトレードとなっており、トータルで利益を出すことが出来た。

しかしながら、ちょこちょこ損失を出していたり、途中で2年間も資産を溶かし続けている期間が出ていたりする等、いつも機能するわけではないことが分かる。

今回は移動平均線大循環という一つの武器を使ったが、武器にも得意・不得意があるのだろう。不得意を補完する別の武器を組み合わせて使うことで、戦場での勝率を上げることが出来るのかもしれないな、という所感を得た。

*1:Pythonのplotly.pyを使った

*2:Pythonのbacktesting.pyを使った