この作品には、敵軍のボスである少佐が、開戦にともない自軍を鼓舞する有名な演説シーンがある。
このシーンでの演説内容が株式投資家としての心の琴線に触れた。
銃剣先をそろえた歩兵の横隊が敵の戦列を蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の新兵が既に息絶えた敵兵を何度も何度も刺突している様など感動すら覚える(中略)
露助の機甲師団に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった村々が蹂躙され女子供が犯され殺されていく様はとてもとても悲しいものだ
英米の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
英米攻撃機に追いまわされ害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ
勝っている時の戦争が好きだというだけではなく、負けている時も好きだというのが狂人的な感性に聞こえる。
しかしながら、「株式投資において負けている状況すらも楽しむ」という経験は私も今までにしたことがある。
これは、負けても一命を取り留める限り、負けた経験を糧としてより強くなれるという思いから来ているのであろう。
ジムクレイマーもその著書の中で”Staying in the game”という表現で、株式市場で生き残ることの大切さを説いていた。
Jim Cramer's Real Money: Sane Investing in an Insane World (English Edition)
- 作者:Cramer, Jim
- 発売日: 2005/03/29
- メディア: Kindle版
投資家たちは勝ち続ける方法のことを「聖杯」と呼んでいり、各人が聖杯を求めて日々模索している。
仮に聖杯を手にできたとして、その聖杯から溢れ出るものが、慎ましやかな暮らしを支えるだけの富なのか、それとも自分以外を破滅に追いやる欲望の泥なのかは人によって異なる。
自分が求めている聖杯がどちら側なのかは定かでないが、当面の間は前者の聖杯を手に入れられるように精進していきたい。