対象
書名:ミネルヴィニの成長株投資法
書名:株式トレード 基本と原則
著者:マーク・ミネルヴィニ
ミネルヴィニの成長株投資法 ━━高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ (ウィザードブックシリーズ)
- 作者:マーク・ミネルヴィニ
- 発売日: 2013/12/14
- メディア: ハードカバー
- 作者:マーク・ミネルヴィニ
- 発売日: 2018/07/15
- メディア: 単行本
概要
伝説的トレーダー、マーク・ミネルヴィニの手法解説本を紹介する。
「ミネルヴィニの成長株投資法」が基礎編で、「株式トレード 基本と原則」が実践編という感触を得た。
要点
SEPA(Specific Entry Point Analysis)分析
- トレンド:急成長の初期に上昇トレンドが観察されるので、ここで買う
- ファンだメンタルズ:急成長時に売上高、利益率の改善が見られる
- カタリスト:銘柄が化ける材料を待つ
- 買い場 急上昇初期には低リスクな買い場があるので、そこを見つける
- 売り場 条件を満たしていても全てが上がるわけでは無いので損切条件の設定も必要
銘柄の選定方法
- トレンドテンプレート(後述の第2ステージ)を満たすか。
- ファンダメンタルズによるスクリーニング
- リーダーシッププロファイル(過去の急成長株)との類似点の調査
手作業での以下の項目を吟味する
株価サイクルの4つのステージ
企業の6カテゴリー分類
- 先導株
- 業界で最も増益率が高く、売上や利益は1位もしくは2位か3位
- 相場の上昇初期に最も上昇率が高い。競争優位性があって急成長できそうかを見る。
- 低成長業界の場合、利益率の拡大、妥当な債務基準、ROEが高いかを見る
- 大手ライバル企業
- 業界トップの2~3社の動向は常に見ておく
- 大手ライバル企業がトップを追い抜いて、シェアを奪うこともある
- 機関投資家好みの銘柄
- 利益成長率は10%前半。株価が急成長する余地は少ない
- コカ・コーラ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、ゼネラル・エレクトリックのような実績のある成熟企業
- 業績回復銘柄
- 直近2~3四半期に100%以上EPS伸びと、過去3年/5年の伸びと比較。EPSが過去の最高時に近い場合に買う。
- コスト削減、生産性向上、赤字部門の閉鎖以外で利益を上げているか。
- 現金保有量、債務負担状況をチェックする。
- 循環株
- 自動車・鉄鋼・製紙、化学などの景気に敏感な銘柄
- 株価の上昇前半にPERが高く、上昇の終盤にPERが低くなる
- 循環株では在庫と需給を見る
- 増益続き→良いニュース→増配→PER低下→天井
- 減益続き→悪いニュース→PER上昇→底入れ
- かつての先導株と出遅れ株
- 売上や利益の伸び、株価の動き、全てで劣る。手出し無用
- 先導株
以下はTips
- 成長株はIPOから10年以内が多い
- 定量スクリーニングでは全ての項目を満たす必要はない。取りこぼす可能性があるので
- PEGレシオの限界
- 極低PER極高PERでは機能しない
- ブレイクアウト時のPERから2倍~3倍あたりまで上昇した時が天井ライン?
- 四半期EPS、売上の伸びは2期平均でならす
- 増益率の低下は黄色信号
- 売上・利益上げの中身を見る
- ○:価格増/既存製品数量増/新製品販売開始/生産性向上
- ×:経費削減のみは継続性が無い
- コード33
- 売上利益利益率が4半期連続で加速増
- VCT(Volatility Contraction Pattern)
- 騙しの押し目を見抜く
- 20日平均線を下回ってない?
- 損切ラインを明確に設定して利益を守る
- 期待利益率と期待損益率を設定して、利益:損益のレシオを設定
所感
ミネルヴィニの手法は、個人投資家がやりがちな「市場から見放されている銘柄を超安値で買い、
ガチホールドしてテンバガーを目指す!」というような戦略とは異なり、
「機関投資家が目をつけ始めた成長銘柄に対して、早期に追随しておこぼれに預かる」という戦略に基づいている。
定量的、定性的な観点から対象銘柄を選定しているが、定量的な部分で明確に数値ラインが決まっていないような確認項目があるように見受けられた為、 ここを自身でカスタマイズして実際に使えるようにしたい。
試しにトレンドテンプレートの数項目を抽出して、グラフに買いポイント、損切線を描画した*1 本当に使えるのか色々な銘柄のデータで検証していきたい。